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派遣会社におけるマージン率とは?平均的な相場を知っておこう!

公開日:2021/12/01  


派遣会社に関連してよく耳にする「マージン率」ですが、派遣会社を選ぶ際に気になるポイントではあるものの、実はよくわからないという方も多いのではないでしょうか。また「一体何に使っているの?」と疑問を抱いている方もいるでしょう。この記事では、マージン率の基礎知識から、マージンの用途まで詳しく解説します。

派遣会社におけるマージン率とは?

マージンは一般的に「利ざや」や「手数料」「仲介手数料」などという意味の言葉ですが、派遣会社では意味が異なり、派遣先の企業が派遣会社に支払う派遣料金と、派遣会社が派遣社員へ支払う賃金の差額、つまり「派遣会社の取り分」を表しています。この派遣会社の取り分の割合を表したものが「マージン率」です。

なお、厚生労働省では、マージン率を「労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合」と定義しています。派遣会社は派遣先の企業が求める人材を自社の派遣社員として紹介し、その報酬として派遣料金を受け取る仕組みになっています。

ここでの派遣料金とは、派遣会社が派遣先の企業に対して請求する費用の総額を指すようです。派遣会社はマージンによって得た売上から、必要な経費を支払っているのです。なお、2012年の派遣法改正により、派遣会社はマージン率を労働基準監督署へ提出するとともに、雇用する派遣社員に文書やホームページ上で開示することが義務付けられました。

マージン率の相場を知ろう!

マージン率には上限・下限の規定は設けられておらず、最低賃金を下回らなければ違法にはなりません。また業種や職種、派遣先企業によっても異なります。一般社団法人日本人材派遣協会によると、派遣会社のマージン率は約30%で、内約70%が派遣社員への賃金として支払われています。

また、職種別に見てみると、事務や軽作業などの場合はマージン率25%~30%程度、IT関係など専門職の場合のマージン率は30%~45%となっているようです。ここで注意しておきたいのは、マージン率が低ければ派遣社員の賃金が高くなるというわけではないという点です。マージン率は以下のように算出できます。

マージン率=(派遣料金の平均額ー派遣社員の賃金)÷派遣料金の平均額×100

派遣会社がマージンを取る理由

派遣会社はマージンを一体何に使っているのか、やはり気になるところですよね。実はマージンがすべて派遣会社の利益となっているわけではありません。企業として利益を生み出す必要はありますが、マージンはそれ以外にも派遣社員の社会保険料など、さまざまな用途で活用されています。ここでは派遣会社のマージンの使い道について、項目ごとに解説します。

派遣会社の諸経費

派遣会社の中で正社員として営業やコーディーネータ、経理、事務などを担っている人たちの人件費にもマージンの一部があてられているようです。また、派遣会社が提供する社会保険以外の福利厚生や、健康診断などもこの諸経費に含まれています。派遣会社は派遣社員に対し、段階的な教育訓練を実施することが義務付けられていますが、研修などキャリア形成にかかる費用や資格取得費用なども諸経費として扱われています。

有給休暇費用

派遣社員が有給休暇を取得する場合、派遣先の企業ではなく、雇用している派遣会社が付与することとなるようです。その分の費用も、マージンの中からあてられています。

広告宣伝費

派遣会社では、派遣先を増やすための企業向けの広告と、派遣登録者を増やすための一般向けの広告の2種類が必要となりますが、マージンは広告宣伝費としても一部活用されています。広告宣伝として、SEO対策に力を入れている企業もあり、重要な項目といえるでしょう。

社会保険料

社会保険料は雇用している派遣会社が保険料の約半分を負担しており、労働者と折半で支払う仕組みになっています。社会保険料として、雇用保険、健康保険、厚生年金保険などが含まれています。ただし、社会保険に加入するには条件を満たす必要があるので、確認しておきましょう。

派遣会社の事業運営費・利益

派遣会社が事業を継続するために必要な費用にも、マージンの一部があてられています。具体的には、システムの維持費やオフィスの賃貸料などがあります。マージン率のわずか1.2%程度が派遣会社の営業利益となっているようです。

 

マージン率が高いことは労働者にとって一概に損とはいえません。手厚い福利厚生や、スキルを身に付けるための教育費用など、派遣社員のためにあてられている場合もあるのです。派遣会社を選ぶ際に気になるマージン率は、職種にもよりますが30%程度であれば適切な水準といえます。派遣会社を選ぶ場合には、マージン率だけでなく、派遣会社の福利厚生やキャリアアップなどの内容もしっかり確認しておくとよいでしょう。

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