派遣社員でも健康診断を受けられる?条件や負担する費用はあるのか解説
労働者が受診できる健康診断について、雇用形態によって受診の条件に違いがあるのか疑問に思う人もいるでしょう。
派遣社員の健康診断受診には、派遣会社ごとに一定の条件があるため、勤務開始前に忘れずに確認してください。今回は、派遣社員の健康診断受診の条件や費用負担について詳しく解説します。
派遣社員も健康診断を受けられる
企業には、自社で働くスタッフに対して健康診断受診を提供する義務があります。正社員だけでなく派遣社員にも適用されるため、派遣社員も健康診断を受けることが可能です。ここでは派遣社員の健康診断について詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
派遣社員の健康診断は法律で義務化されている
労働安全衛生法により、企業には所属する従業員の健康を守る義務が定められています。労働安全衛生法のなかには従業員の健康診断についても定められており、1年に1回の健康診断を義務づけています。
労働安全衛生法の健康診断の規定は派遣社員にも適用されるため、派遣社員も健康診断を受けることが可能です。
健康診断の義務があるのは派遣先企業?派遣会社?
一般的な内容の健康診断は、派遣会社に実施義務があります。ただし、人間の体に害を及ぼす物質を浴びる可能性があるなど、労働安全衛生法により有害な業務であると認められる職種における特殊健康診断は、派遣先企業に実施義務があるため注意してください。
健康診断をどちらで受けるべきか迷ってしまったら、派遣会社の担当者に問い合わせてみるのがよいでしょう。
健康診断の具体的な内容
労働安全衛生法では、健康診断で調べる項目などの詳細についても規定されています。具体的な内容は、「業務歴・既往歴」「自覚症状・他覚症状」「身長・体重・視力など」「胸部X線など」「血圧」「貧血有無」「肝機能」「血中脂質」「血糖」「尿検査」「心電図」の11項目です。
健康診断を受けるには一定条件を満たす必要がある
そもそも健康診断を受けられるのは、「常時使用される労働者」もしくは、「無期契約または1年以上の有期契約の労働者で、週の所定労働時間が通常労働者の4分の3以上の者」のどちらかの条件を満たしたスタッフです。
派遣社員においては勤務開始時に派遣会社との個別の契約により健康診断の受診時期などが決定されるため、派遣会社ごとに条件に違いがあります。健康診断の受診時期が分からない場合は契約書で確認するか、担当スタッフに問い合わせてみましょう。
健康診断受診にかかる費用と流れについて
派遣社員が健康診断受診の条件を満たしている場合は、健康診断が近づくとメールや文書などで受診案内が届きます。以下では、派遣社員の健康診断受診にかかる費用や実際の流れについて解説します。
派遣社員の健康診断費用は誰が負担する?
健康診断にかかる費用は派遣会社に支払い義務があるため、派遣社員自身はオプション検査を追加する場合のみオプション料金の支払いが必要です。派遣会社によっては、健康診断費用を派遣社員が立て替え、後から費用分を指定口座に振り込むというケースもあります。
立て替えが必要かどうかをあらかじめ確認しておきましょう。
健康診断当日は無給扱い
正社員の場合、健康診断は業務時間内に実施されることもあります。しかし、派遣社員の健康診断は業務外という扱いになり、当日の給与は発生しません。休暇を利用して受診するか、有給休暇を取得するのがよいでしょう。
また、健康診断の受診先医療機関までの交通費は自己負担となります。受診先の医療機関は複数指定されるケースがほとんどであるため、もっとも近い医療機関を選んで受診してください。
健康診断を受ける場合は派遣社員自身で手続きが必要
健康診断はどの企業でも1年に1回ほどのペースで実施されます。受診の手続きは派遣会社が行うわけではなく、派遣社員が自身で手続きをする必要があります。健康診断の時期が近くなると受診案内が届くため、受診先の医療機関を選んで申し込みを済ませましょう。
また、健康診断はいつでも受診できるわけではなく、企業ごとに期間が定められています。期間の終わり頃は予約が集中する可能性もあるため、できる限り早めに受診を済ませるのがおすすめです。
再検査の費用は自己負担
健康診断が終わると、後日結果が郵送にて届きます。健康診断により再検査すべき項目が見つかった場合の受診費用は支給されないため、自己負担にて支払う必要があります。
しかし、病気は早期発見・早期治療が非常に重要となるため、再検査の通知が届いたらすぐに受診するようにしてください。
まとめ
今回は、派遣社員の健康診断受診に関する法律や条件、費用負担、流れについて詳しく解説しました。派遣社員も正社員と同じように健康診断の受診が可能であり、基本的には派遣会社で受けることになります。
受診には一定の条件を満たしていることが必要ですが、細かな条件は派遣会社ごとに異なるため、契約書や担当スタッフへの問い合わせなどで確認してください。また、健康診断の受診には派遣社員自身での申し込みが必要となります。
手元に受診案内が届いたら、混雑する期間終了間際を避けて予約をとるのがおすすめです。受診は無料ですが、再検査が必要な場合の受診費用は自己負担扱いとなります。