派遣と出向の違いとは?双方のメリット・デメリットを知ろう!
よく勘違いをされやすいのが、“派遣”と“出向”の労働スタイルです。どちらも同じものと勘違いしてしまう方もいますが、実は似て非なるものなので気をつけましょう。こちらの記事では、派遣と出向は何が違うのか、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。
派遣と出向の違い
まずは派遣と出向それぞれの違いについて見ていきましょう。
まず派遣ですが、こちらは派遣会社に登録をして、派遣会社が取引をしている企業に派遣され労働をする雇用形態になります。あくまで派遣会社と労働契約をしており、派遣会社から給料が支払われるのが特徴です。派遣先の会社と直接契約を結ぶことはなく、派遣会社を通じて契約や取引は行われます。
反対に出向ですが、こちらはもともと在籍していた企業に籍を置きつつも、出向いた先の企業でも新しく労働契約を結んで契約をするため、2つの会社に在籍している形になります。そのため労働規約はもともと在籍している企業と、出向先の企業の2つのうち、契約で決められたどちらかが適用となり、どちらの会社でも社員として扱われるのが特徴です。
また出向の場合は他にも転籍出向という、もともと籍をおいていた会社から出向先の会社に籍を移し、出向先とだけ契約を結ぶという方法もありますが、こちらの場合は出向先の人間として、出向先での労働規約が適用となります。転籍出向の場合は期間終わればもともとの会社に改めて転籍出向という形になる可能性がありますが、場合によっては転籍出向をしたままその会社で働き続けるケースもあるでしょう。
このように派遣と出向は、籍をどこに置いているのか、契約はどちらと結んでいるのかという部分に大きな違いがあります。
派遣社員として働くメリット・デメリット
派遣社員として働く場合、仕事内容にもよりますが短ければ1日~1ヶ月、長くとも半年程度の短いスパンで働ける職場が多いのが特徴です。決められた契約期間内のみ働くという形なので、契約が終わったら新しい仕事を探す、または契約更新をするかどうか派遣会社と相談するという形で、労働環境を自分で選びやすいのが特徴です。
自分が好きな職場だけを転々とできたり、ライフスタイルに合わせて短期で働くこともできたりする労働スタイルのため、自分の都合に合わせてお金を稼ぎやすいのがメリットといえるでしょう。
その反面、大抵の場合は契約更新になることがなく、契約期間が終わったらまた1から新しい仕事を探し始めないといけないので、正社員になりたい方や安定して働ける職場を探している方には向いていません。
派遣社員は契約範囲内で守られてはいますが、契約が終わってしまえば自分の身を自分で守らなければいけないうえ、どんなに辛い職場だったとしても契約期間内は辞めることが難しいというデメリットもあります。
働き始めてからでないとどんな環境なのかがわからないのはどの労働スタイルでも同じことがいえますが、派遣社員は毎日違う人と働くような会社もあるため、かなりのコミュニケーション能力がないと大変な思いをする可能性もあるでしょう。
出向社員として働くメリット・デメリット
出向社員の場合はあくまで正社員として、もともと籍を置いていた会社から出向先の会社に行って働くスタイルのため、長期の就業期間が基本です。自分自身のスキルアップや新たな人間関係の構築をしやすい労働スタイルなので、「出向から帰ってきてから人間としてのレベルが上がった」と上司に思われるビジネスパーソンは少なくありません。
出向はその分ある程度の責任を任されて仕事をすることになるため大変ではありますが、ビジネスにおけるスキルアップや普通の仕事だけではわからなかったようなことまで幅広く見られるようになるのがメリットです。
デメリットといえばその期間があげられます。出向の場合、大抵は1年以上と就業期間となっており、1年間は出向先に拘束されることになるでしょう。
そのため、ご家族がいる方で出向先が今の会社から離れている場合は、引越しをするのか単身赴任をするのか迫られます。ライフスタイルを大幅に変えないといけない決断を迫られるケースが多く、仕事に人生を左右されたくないという方にとっては、出向は辛い選択といえるでしょう。
このように、出向社員も派遣社員同様メリットとデメリットがあるので、一概にどちらがよいとはいい切れません。正解不正解はないため、自分に合っている労働スタイルはどちらなのか、派遣と出向のそれぞれの違いを考えて選択してみるといいでしょう。
まとめ
派遣と出向は一見すると同じ労働スタイルを指しているようですが、フタを開けてみると全然違う雇用スタイルであることがわかります。自分のライフスタイルを優先したい方は派遣社員、もっとスキルアップを図りたい方は出向社員というイメージを持つと、それぞれの違いがよりわかりやすくなるかもしれませんね。