派遣社員とパート・アルバイトの違いとは？最適な働き方はどっち？

派遣社員とパート・アルバイトは、どちらも正社員とは異なる就業形態です。しかし、それぞれには勤務条件などで大きな違いがあります。本記事では、派遣とパート・アルバイトの違いにスポットを当てて、詳しく解説をしていきます。自分に合った働き方がどちらか気になる人は、ぜひ最後までご覧ください。

派遣とパート・アルバイトの違い

まずは、派遣、アルバイト、パートの違いについて説明します。

派遣の特徴

まず、派遣とアルバイト・パートとの主な違いは、雇用形態にあります。

アルバイトやパートは企業と直接契約する直接雇用であるのに対し、派遣は間接雇用に分類されます。間接雇用とは、給与を支払う会社と業務指示をおこなう会社が異なる形態のことです。

派遣労働者は、派遣会社と契約を結び、その給与を派遣会社から受け取りますが、実際の業務指示や勤務条件は、派遣先の企業から受けます。派遣労働者の勤務時間や業務内容は契約で定められており、変更がある場合には派遣会社を通じて交渉や変更をおこなう必要があります。

パート・アルバイトの特徴

次にアルバイトとパートの違いについてですが、いずれも労働基準法上はパートタイム労働者として分類されます。

一般的には、学生やフリーターがおこなう短時間の仕事はアルバイトと呼ばれ、主婦がおこなう仕事はパートと呼ばれることが多いですが、法律上の違いはありません。どちらも企業と直接雇用契約を結び、時間給や日給で給与が支払われます。

所定の労働時間や日数を満たすと、正社員と同様に雇用保険や社会保険に加入でき、有給休暇の権利もあります。ただし、雇用契約に期間の定めがある場合もあり、昇給やボーナスがないのが一般的です。

派遣とパート・アルバイトの雇用形態

派遣社員とアルバイト・パートの雇用形態には、いくつかの特徴的な違いがあります。

ここではそれらの違いについて詳しく説明します。

就業期間

まず、就業期間についてです。

派遣社員の契約は原則として同じ組織での勤務が最大3年間とされており、その後は派遣先企業に直接雇用の依頼をする義務があります。一方、アルバイトやパートは有期労働契約であっても、改正労働契約法により同じ企業での有期契約が5年を超える場合には無期契約への転換が求められます。

各種保険

社会保険と雇用保険については、派遣社員もアルバイト・パートも一定の条件を満たせば加入できます。

具体的には、フルタイム未満の勤務であれば、週の所定労働時間が20時間以上30時間未満、1ヵ月あたりの賃金が8万8,000円以上の条件があります。

さらに、雇用期間が2か月を超える、労働者が学生でないこと、勤務先の従業員数が101人以上または100人以下で社会保険の加入について労使合意がなされている場合に社会保険に加入できます。

雇用保険についても同様で、所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用される見込みがある場合に加入が義務付けられています。

賞与・退職金

賞与や退職金は、派遣社員には原則として支給されません。

アルバイトやパートも同様に賞与や退職金が支給されることは少ないです。交通費についても、派遣の場合は案件により支給されるかどうかが異なり、アルバイトやパートも同様です。

転勤の可能性

転勤の可能性については、派遣社員は派遣先企業での業務に従事するため転勤はありませんが、アルバイトやパートも基本的には転勤の可能性は低いです。

研修制度

研修制度については、派遣社員の場合、案件により研修が提供されることがありますが、アルバイトやパートの場合はその企業の研修制度に依存します。

派遣会社のフォローの有無

派遣会社のフォローについては、派遣社員が勤務する場合、派遣会社が担当し、勤務条件やトラブル対応をサポートします。

一方、アルバイトやパートの場合、直接雇用契約であるため、そのようなフォローは基本的にはありません。

業務内容

業務内容については、アルバイトやパートは労働契約にもとづく内容が多いのに対し、派遣社員は派遣契約にもとづき、業務範囲が厳密に定められており、その範囲を超えることはありません。

有給休暇

有給休暇については、派遣社員もアルバイト・パートも、労働開始から6か月後に勤務日数に応じて付与されます。

付与日数は勤務日数に応じて異なり、年間の最大付与日数は20日です。

派遣とパート・アルバイトそれぞれに向いている人の特徴

派遣とアルバイト・パートの働き方にはそれぞれ異なる特徴があり、どちらが最適かは個々のニーズやライフスタイルによります。

どの働き方が一番良いかを考える際には、自分の希望や条件に合わせて選ぶことが重要です。

派遣に向いている人の特徴

派遣での働き方は、特定のスキルを活かして高時給で働きたい人や、大手企業での経験を積みたい人にとって適しています。

さらに、派遣会社が提供するキャリアコーチングやサポートがあるため、就業にあたっての不安や心配を軽減できます。ただし、有期派遣の場合は同一組織での勤務が最大3年間とされ、契約更新の際に契約を続けるかどうかの判断が必要です。

パート・アルバイトに向いている人の特徴

パート・アルバイトは、未経験から新しい職種に挑戦したい人や、限られた時間で働きたい人に適しています。

さらに、家の近くで働きたい場合や、かけもち、ダブルワークを希望する場合も、アルバイトやパートタイムの仕事は選びやすいです。時給は派遣に比べて低めですが、フレキシブルな働き方が可能です。

まとめ

派遣社員とパート・アルバイトはそれぞれ異なる働き方を提供します。派遣社員は高時給で特定のスキルを活かし、フレキシブルな勤務条件を選べる一方、契約が原則3年までと制限があります。対して、アルバイト・パートは比較的短時間勤務が可能で、未経験からのチャレンジやライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が特徴です。どちらが最適かは、希望する勤務条件やキャリアプランによります。自分のライフスタイルに合わせた働き方を見つけるためには、それぞれの特徴を理解し、適切な選択をすることが大切です。