派遣社員に将来性はある?自らのスキルを伸ばして重宝される人材に!
就業先と直接契約する一般的な雇用形態と異なり、派遣社員は雇用主と就業先が違う「間接雇用」となります。仕事とプライベートとのバランスが取りやすいなどのメリットがある一方、雇用面や将来性で不安に思っている方もいるのではないでしょうか。ここでは派遣社員のメリット・デメリットや、将来性について解説します。
派遣社員として働くメリット・デメリット
■メリット
派遣社員のメリットとしてまず挙げられるのが、自由度の高さです。正社員と比べて、勤務時間や日数、勤務地など、自分に合った働き方を選べるため、仕事とプライベートの両立が可能です。また、多くの派遣会社が時給制を採用しているため、働いた分の賃金はしっかりもらえる利点もあります。
もう1つのメリットとして、さまざまな経験を積める点が挙げられます。派遣先には大企業もあり、複数の企業で経験を重ねられるため、効果的にスキルアップを図ることができるでしょう。派遣社員として活躍できる職種は幅広く、自身のキャリアを活かした働き方も可能です。
また、派遣社員には派遣会社からのサポートを受けられるメリットもあります。派遣先企業の契約が満了しても新しい派遣先を探してくれるため、契約満了後は自分で仕事を探さなければならない契約社員と比べて大きなメリットといえるでしょう。
■デメリット
派遣社員は同じ派遣先でずっと働き続けられるわけではなく、3年という上限が設けられています。期間満了後には直接契約を結ぶか、他の派遣先を探さなければいけません。このため、やはり直接雇用と比較すると不安定な面は否めません。条件を満たせば社会保険などの福利厚生は受けられますが、交通費の支給がない派遣会社もあります。
また、スキルにもよりますが、正社員と比べると給与は低い傾向にあります。なお、働き方改革関連法の一環として、2020年から「同一労働同一賃金制度」が導入され、派遣先企業で正社員と同じ業務を担っている場合には、待遇も同じにすることが定められました。これにより、正社員との待遇の格差は改善されることが期待できるでしょう。
派遣社員に将来性はある?
前述したように、派遣社員は同じ企業で働き続けられるわけではありません。業種にもよりますが、派遣先企業は若い人材を求める傾向にあり、派遣社員のまま年齢を重ねた場合に、紹介される仕事が少なくなることも考えられます。正社員であれば、賞与や退職金、また昇給の機会も得られますが、派遣社員にはこれらはありません。
しかし、正社員にもデメリットは存在します。いわゆるブラック企業などでは、時給換算した場合の賃金は派遣社員よりも低い場合もあり、残業や休日出勤などで自分のための時間が取れないことも考えられます。異動や転勤などの負担も大きいでしょう。いずれも働き方を選ぶために、まずは将来のビジョンを立てることが大切といえます。また派遣社員であっても、自分に合った働き方を模索するなかで、正社員を目指すこともできます。
派遣社員としての将来性を高めるためには?
■派遣会社の研修制度を活用する
労働者派遣法が定めた「キャリア形成支援制度」により、派遣会社は雇用する派遣社員に対し教育訓練や研修を行うことが義務付けられているようです。この制度を活用することで、正社員として雇用されやすくなる、賃金アップを狙えるなど、将来性を高めるためのスキルを身に付けることが期待できるでしょう。また、この研修制度は無償で受けることができるだけでなく、訓練期間中は労働として賃金の支払いがあります。
具体的な内容として、マナー研修やコミュニケーション研修、プログラミングや各種資格取得サポートなど、職種やニーズに応じてさまざまなものがあります。研修内容は派遣会社によっても異なるので、派遣会社を選ぶ際のポイントの1つといえるでしょう。また、正社員よりも時間に融通が利くため、スキルアップのための勉強時間も確保しやすいでしょう。
■紹介予定派遣で働く
派遣社員から正社員を目指すために「紹介予定派遣制度」を活用する方法があります。これは直接雇用を前提とし、一定期間派遣社員として働くというものです。企業と派遣社員、双方の合意のもとで正式に契約を結びます。実際に働きながら職場環境や業務内容を確認したうえで契約を決められるため、企業とのミスマッチが起こりにくいといえるでしょう。企業側としても、働きぶりや人柄をあらかじめ評価できるというメリットがあります。
■派遣会社・派遣先企業はしっかり選ぶ
派遣先企業の職種はさまざまであり、専門分野で活躍する派遣社員も多くいます。専門分野や成長産業では、企業側もスキルを持った人材を求めており、将来性があるといえるでしょう。キャリアアップを図るためには、中長期視点を持って派遣先を選ぶことも大切です。そのためには、スキルを身に付けられるような研修を提供している派遣会社に登録することも重要でしょう。
エン・ジャパンが実施した「ワークライフバランス」満足度調査によると、雇用形態別で派遣社員は2番目に満足度が高いという結果となりました。ライフスタイルに応じた働き方ができるのは、派遣社員の大きなメリットといえるでしょう。一方、正社員と比較して不安定な雇用であるというリスクも存在します。自分がどのような働き方をしていきたいのかを明確にし、スキルを伸ばしていくことで、将来も企業から重宝されるでしょう。