派遣社員も有給休暇は取れる!取得する際に注意することとは?
アルバイト・正社員など直接雇用ではない派遣社員でも、有給休暇は取得できます。それは法に則って労働者に与えられた、正当な権利だからです。派遣社員が有給休暇を取得する際は、まず何をしたらよいのでしょうか?この記事では、派遣社員でも有給休暇がとれるという事実と、派遣社員が有給休暇を取得する際の注意点について、解説します。
派遣社員も有給休暇が取得できる
先ほども述べた通り、派遣社員も有給休暇を取得できます。派遣社員の有給休暇に関する情報は、以下の通りです。
有給休暇に雇用形態は無関係
年次有給休暇は、雇用形態を問わず利用できます。
正社員・アルバイトなど直接雇用との違いは、有給休暇の出どころです。派遣社員の場合、有給休暇は派遣先企業ではなく、登録している派遣元の会社から付与されます。
付与されるタイミングは、直接雇用と同じように、雇い入れから6ヶ月が経過した時点です。
有給休暇取得の流れについて
派遣社員の有給休暇は、派遣元である派遣会社によって付与されます。そのため派遣社員が有給休暇を取得する際は、まず派遣会社に「有給休暇を取得したい」と申請します。
その後、派遣会社から派遣先へ「有給休暇申請の希望があった」という旨を伝えてもらい、派遣先から許可が出たら取得する。これが、一連の流れです。
ただし、派遣会社によっては「まず派遣先から許可をもらい、それから有給休暇を申請してください」といわれることもあるため、注意が必要です。
有給休暇の取得条件
派遣社員でも有給休暇を取得できることがわかったところで、今度は「有給休暇の取得条件」について見ていきましょう。
有給休暇取得のタイミングは?
派遣会社によって規定は異なりますが、「取得する際は1ヶ月前までに申請が必要」「連休なら一度に〇日まで」と細かく定められている場合もあります。初めて有給休暇を取得する場合は、事前に確認しておきましょう。
また、「繁忙期にはなるべく有給休暇を取得しないでほしい」と派遣先企業などから依頼される場合もあります。これは「時期変更権」といい、会社の業務が滞りなく進められるようにするために、会社側に与えられた権利です。
やむを得ず繁忙期に有給休暇を取得する際は、業務に支障が出ないよう早めに相談するようにしましょう。
休む理由は言わないとダメ?
原則、「言わないとダメ」ということはありません。有給休暇自体は労働基準法に則って労働者に与えられた権利のため、「私用」とだけ伝えておけばよいのです。
「体調不良の時以外は使えない」「冠婚葬祭でもない限り、要求しにくい」と思う方もいるかもしれませんが、気にする必要はありません。とくに理由も告げず、堂々と取得すればよいのです。
休んで迷惑がかからない?
有休休暇は労働者なら、誰にでも与えられる権利です。しかし、会社という組織に属して働く以上、業務が滞らないよう一定の配慮をする必要があります。
具体的には、「周りのメンバーや上長へ、事前に休むことを伝えておく」「休暇中でも連絡が取れるようにしておく」「他の人もデータや書類を閲覧できるようにしておく」といった事前準備です。また、「毎日必ず、自分がやるべき仕事がある」という場合は、他の方に代行をお願いしておく事も重要です。
派遣社員が有休を取得する際の注意点
派遣社員でも有給休暇が取得できること、そして取得する際の条件がわかってきたところで、今度は「派遣社員が有給休暇を取得する際の注意点」について確認しておきましょう。
派遣先が変更した時
派遣社員である以上、派遣先が変更されるのはよくあることです。この時、以前に勤めていた派遣先を辞めてから間髪入れず次の派遣先に移った場合は、以前に付与された有給休暇がそのまま引き継がれます。
しかし、タイミングによっては、次の派遣先が見つかるまで時間がかかることもあります。この時、1ヶ月以上の間が空くと、有給休暇自体がリセットされてしまう場合もあるのです。そのため、派遣先が変わる際は注意しましょう。
派遣元が変更した時
当然ですが、登録している派遣元が変わってしまった場合は、有給休暇自体がリセットされます。この時、注意が必要なのは「たとえ就業先が同じ場所であっても、派遣元が変われば有給休暇はリセットされる」という点です。
実は、このように「就業先は同じなのに、派遣元が変わる」というのはよくあるケースなのです。もちろん、派遣元が変わっても再び6ヶ月経過すれば、有給休暇は新たに付与されます。
派遣社員も有給休暇は取れることと、取得する際に注意することについて解説しました。有給休暇は労働者なら、雇用形態を問わず誰にでも平等に付与される権利であり、休む理由もとくにいう必要はありません。
しかし、派遣先や派遣元が変わった際に取得できる条件が変わったり、場合によってはリセットされてしまったりすることもあるため、注意が必要です。有給休暇を上手に取得して、充実した派遣ライフを送りましょう。