派遣社員の待期期間について解説!給料は支払われるの?
派遣労働には、必ず終わりが来ます。「3ヶ月更新なのだけど、毎回契約更新の時期が近づくたびビクビクしている」という方も多いかもしれません。生活にも直結する大事な派遣の雇用契約ですが、次の仕事が見つかるまでの「待期期間」についてはご存知でしょうか?この記事では、派遣社員の待期期間と、その間の給与について詳しく解説します。
派遣社員の待期期間とは?
そもそも「派遣社員の待期期間」とは何を指すのでしょうか?それは、次のような場合を指すといわれています。
次の仕事が決まるまで待つ期間
そもそも派遣契約とは、「3ヶ月」「6ヶ月」などあらかじめ期間が定められています。そのため派遣先での契約期間が満了し、次の仕事が決まるまで待っている間の期間が「待期期間」と呼ばれているのです。
これには法律的な縛りがなく、あくまで派遣業界で一般的に使われている言葉となります。従って、契約が更新されれば翌日から新たな契約がスタートするため、待機は発生しません。
慣れた人が来るのがベストでも…
どの業務でも、慣れた人に来て担当してもらうのがベストです。「契約が更新されない」というのは、派遣社員と就業先の相性が今一つ合わなかったり、派遣社員のスキルまたは派遣会社の対応に何らかの問題があったりする可能性もあります。
しかし、繁忙期を終えた場合など「派遣先側の都合」で契約が打ち切りとなるケースもあります。いずれにせよ、派遣契約が満了したら派遣会社は、新たな派遣先を探さなくてはいけません。
待期期間の雇用契約はどうなっている?
次に気になるのは、「新たな派遣先が決まるまで雇用契約はどうなるのか?」という点でしょう。派遣社員の待期期間の雇用契約は、以下のようになります。
有期雇用契約の場合
有期雇用契約とは、契約期間が定められた雇用契約を指します。つまり、雇用契約は派遣先との契約期間と同じになるため、「派遣契約が満了する=退職」となるのです。
ただし、何度も契約更新を繰り返し通算5年以上同じ派遣会社に雇用されている場合は「無期転換ルール」の対象となり、無期雇用契約にできます。詳しくは、派遣社員として働き始める際に渡される『労働条件通知書(件)就業条件明示書』に記載されているので、確認してみましょう。
無期雇用契約の場合
無期雇用契約とは、派遣会社に「正社員」として雇用され、そこから就業先に派遣される雇用契約を指します。つまり、派遣先での就業があってもなくても雇用関係は持続するため、「派遣契約が満了する=退職」とはならないのです。無期雇用契約なら、次の派遣先を用意してあげることは派遣会社の義務となります。
また、派遣先が変わったとしても、最初に雇い入れする際に結んだ『雇用契約書』に記載された条件で雇用契約が継続するため、一般派遣でありがちな「派遣先が変わる=時給や待遇が大きく変わる」といったこともありません。
待期期間中の給料について
派遣社員の待期期間についてわかってきたところで、次に「待期期間中の給料」について見てみましょう。派遣社員の待期期間中の給料は、以下のような扱いとなります。
基本はノーワークノーペイ
少なくとも、有期雇用契約の場合は「ノーワークノーペイ」が基本です。派遣先での契約が満了となったら、その場で退職となります。そのため、仕事をしていない以上は給料が支払われることはありません。
もし、有期雇用契約で派遣社員として働いているなら、契約期間が満了した時点で直ちに次の派遣先またはアルバイトなど何らかの形で就業先を確保しておかないと、たちまち無収入となってしまいます。
給与の6割が保証される例も
無期雇用契約の場合、派遣先がなくても派遣会社との雇用契約は継続します。しかし、すぐに次の派遣先が見つかるとは限りません。このような場合、休業手当として給与の6割が支給されます。具体的には、これまで月給30万円だったら6割保証で18万円、25万円だったら15万円といった具合です。
ゼロになるより余程よいですが、家庭のある方だと厳しいと感じる方もいるかもしれません。また、なかには給与を100%保証してくれる派遣会社もあるので、探してみるとよいでしょう。
雇用安定措置について
派遣会社には、「雇用安定措置」というものが義務付けられています。抵触日という概念があるのですが、派遣社員として働けるのは最長3年まで。
それを超えてしまう前に、派遣会社では「派遣先での直接雇用」「新たな派遣先の紹介」「派遣元での、派遣労働者以外としての無期雇用」など、何らかの措置を取る義務があるのです。
派遣社員の待期期間について、解説しました。その他、派遣会社では派遣社員に対し「年に8時間以上の研修」が義務付けられているため、eラーニングによる研修や、資格取得に向けた教育を受けることもできます。
そのため、派遣会社から「待機」と命じられた際は休業手当がもらえるならキャリアアップに向けて勉強をし、休業手当が出ない場合は今後の働き方について見つめ直す機会になるでしょう。